★☆★ 毎年、菊池女子高校では五-七-五-七-七 で気持ちや情景を表現する短歌に取 り組んでいます。授業、学年活動、クラス活 動で生み出された作 品は10代だからこそ詠める感性が散りばめられた、言葉の小宇宙だと思います。
※ (作者、学年、科は掲載いたしておりません。また、HP等に出さないでほしいと希望された生徒の作品はここには載せておりません。ご理解いただきますようお願いいたします。)
★ 冬空に 瞬く星を 友と見る 準備半ばの 学祭前夜
★ 友だちが 涙を流す 私の側(そば) そっと寄り添う 制服ぬくし
★ 「おかえり」 と仕事で遅くなる母の テーブルの上のメモに「ただいま」
★ 引っ越しの 段ボール箱 いっぱいの 別れがあって 未来へ進む
★ 昼下がり 私と君の 目が合った 一度そらすも また見てしまう
★ 同じ空を毎日見ている今日も晴れ思いとどけよ将来の道
★ 車の中 口開かないまま 試合に向かう 車下りたら 頑張ってねと
★ ありがたい バス停までの送り迎えハンドル握る母の優しさ
★ 両親の何度も見せた困り顔いつか言いたい感謝の気持ち
★ あたたかい春の太陽窓ぎわに照らしながらも眠けをさそう
★ 「明日から」 そう言いつづけ 何度目か 思えば今日も 口ぐせとなる
★ お正月 家族皆で 里帰り また新しく 思いで増やす
★ 空見れば いつもまぶしい 夕焼けで 場所変われども 美しさ変わらぬ
★ 昼休み友達と一緒に弁当をおしゃべりしつつ食べるひととき
★ 友からの LINEが届き 開いたら 今から遊ぼう 休日WILL
★ じりりりと 目覚ましが鳴る 朝方に ふとんが私を 離してくれない
★ オムライスにケチャップかける母さんの味を笑顔で食べる父親
★ 一年間 季節を感じ 歩いた道 高校に入り 懐かしく思う
★ 帰り道ひゅーと風吹く風に乗り黄色い葉っぱが舞い落ちてくる
★ この寒い 秋の季節に お芋食べ 皆(みんな)楽しく 微笑んでいる
★ おばあちゃんと 一緒に住んで 十六年 だんだん似てくる 好みと仕草
★ 長袖を着込んで押した自販機のボタンは未だ「つめたい」表示
★ 早朝に 作る私の みそ汁を おいしいと飲む チームメイトら
★ 別れの時期 また会えるかな 思い出が ふとよみがえる さくらの季節
★ 遠くから 試合見に来る 父母に よいとこ見せむと はりきる自分
★ 竹馬を笑顔で握る妹が小さい頃の自分と重なる
★ どうして嫌いなんて言ったのか好きなはずなのに思ってもいないのに
★ 悩みごと 母や友らに 話してみる はげまされては 笑顔になった
★ ありがとう 毎日毎日送迎に疲れた顔などひとつも見せず
★ 「さよなら」と 君の背中に 手をふって 「またね」 と心で つぶやいてみた