「子どもたちを誰も被害者にも加害者にもしたくない」
講演会 「命の大切さを学ぶ教室」 平成28年9月7日(水)実施
講師 一井 彩子 様 ( 大阪在住 少年犯罪被害当事者の会)
※ 写真工事中
1995年に少年4人からの集団暴行事件により、当時中学3年生だった長男の勝君を亡くした「少年犯罪被害当事者の会」の一井 彩子さんを招いた講演会を実施しました。
一井さんが病院で勝君に会った時には顔は腫れ、頭には、陥没したくぼみが数カ所、全身傷だらけ、血だらけの状態だったそうですです。
大切な息子さんをこのような事件で奪われた一井さんの、心の傷は癒えることはないと思います。しかし、乗り越えることのできないその辛さを承知の上で、つらい経験を語る活動を継続されています。
子どもたちを誰も被害者にも加害者にもしたくないという強いお気持ちで全国各地、また少年院でも講演活動をされておられます。
当時、警察からの電話で病院に駆けつけたときのことから話が始まります。想像を絶するような無情な集団暴行、息子さんの様子、親としてこの事実に向き合ったときのお気持ちを考えると胸が痛くなるおもいでした。一井さんは、もう自分のような悲しみは誰にも味わってほしくないと、次のようなことを強調されました。
☆命を大切にする為に3つのことに気を付ける。
・思いやりを持つ
・相手の立場に立って考える
・人の痛みがわかる
☆加害者にならないために
・自分の疑問に思ったことなどを質問できる、相談できる信頼できる人をもつ
・つらいとき、悲しいときそばにいてくれる人をもつ
この夏も、少年たちによる痛ましい事件が起こりました。近年は、エスカレートして歯止めがきかなくなった事件が後を絶ちません。命を奪ってしまったら、もう、後で後悔しても取り返しがつかないのです。
「今の世の中何が起こるかわからないから、被害者にならないことは保証できない。でも、加害者にならないことは努力すればできる。加害者がゼロになれば、被害者もゼロになるのです。」「生きることを頑張ってください。」
一井さんは、そう締めくくりました。
一井さん、貴重なお話をありがとうございました。勝君や、その他の少年犯罪被害者の皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
菊池女子高校 生徒一同、 職員一同、 学校長 荒木真紀子